活動レポート

3月度月例会 令和7年3月17日(月)

【講演会】
講師:一般社団法人日本ライティングコーディネート協会
 副会長 山中 敏裕 

演題: 『ヒューマン・セントリック・ライティング・・・人と光の関係を身に付ける』

「講演概要」

・照明の理論と設計手法を教えています。

・日本では、明かりのことを電気と呼んでいる。「電気を消して」等である。今後は明かりと電気は区別して下さい。

・「暗いところで本を読むと目が悪くなる」というのは間違いである。

・サングラスなしでゴルフをすると40歳中頃で白内障になるケースが多い。

・この講演では「光」の話をする。光は何かに当たって光らないと見えない。これが一番大切なことである。また眠くなるのは、光が目に入り、脳を刺激しメラトニンが分泌されることで眠くなる。適時、上手く光を使うと不眠症や

夜間頻尿が減り熟睡できる。

・「照度(ルクス)が高いと明るい」は間違いである。周辺の壁が明るいと部屋が明るく感じる。

・体内時計(脳)は一日25時間で、自然界の一日は24時間であるため、1時間のずれをリセットする必要がある。ずれると万病の元になる。朝日を浴びることや夜間ローソクの火を見ることでもリセットできる。

・人間は生体電流(電気)で動いている。常に60W~100W食物から発電している。だから満員電車は暑い!

・照明により料理をおいしく見せることができる事は周知の事実ですが、照明に関係なく、テーブルクロスやランチョンマットの色を緑にするだけでも美味しく見える。イタリアでは、緑の窓枠で外の花を見ると真っ赤に見える。インテリア計画にとり入れるべきである。

・日本人の目の色素は濃い。白人の色素は薄く、入る光の量は1/6である。そのため日本人に丁度良い明るさは白人には眩しい。夜は逆に白人が見えやすい。日本人が外国に行くと暗く感じるのは、目の色のせい。戦時中、昼間明るい雲の上の空中戦では、日本人の方が目で敵を先に見つけ後ろに回れた。

・人の感情を伸びやかにするか、くつろがせたいかは照明の使い方で決められる。

・CTスキャンやMRIといった医療機器は、人の安静状態で検査する必要があり、検査室で安静状態にする天井照明は欧州のPhilipsがその照明技術に優れる。

・海外では、風邪や癌等もLEDを使った光学治療で完治できる。

・瞳孔は暗いと開き、眩しいと閉じる。瞳孔が開いた30ルクスの照度が、本を読みやすい。照明設計には如何に瞳孔を開くかを盛り込むべきである。

・寝ているときは23マイクロミリアンペアの電流が流れ、赤色を見ると42マイクロミリアンペアに上がる。という事は筋肉が収縮し緊張している。逆に、ベージュ色が落ち着く。刑務所等の独房では、内装色をピンク色にすれば力が入らなくなる。赤色にすれば興奮する。

・宿泊施設の天井のダウンライトは、器具自体が光らないものが良質で、光るものは使わない方がよい。これを「グレアレスダウンライト」という。

・照明設計は、器具の計画でなく光の設計である。

・適切な街路照明計画により、住みたくなる街並みに変えることができる。

・電気機器の日本のプロトコルは各社ごと異なっているが、海外では同じプロトコルで統一されている。プロトコルとは言語の様なもので日本はメーカー毎に違うので他社のリモコンでは機器は操作できない。

・AIスピーカーで、家電品をコントロールすれば、生活上とても便利である。

以上

ロイヤルホールヨコハマ 3F(横浜市中区山下町90番地)にて、役員会・講演会・懇親会を開催しました。

講演会後の懇親会では大須賀毅会長よりご挨拶、加藤史朗顧問の乾杯の音頭でスタートし、その後、多くの会員の方々からのご挨拶やトークが続きました。

最後は斉藤昌喜副会長の音頭による締めで本例会は終了しました。