活動レポート

令和6年度 定例総会 令和6年4月15日(月)

【記念講演会】

日本銀行 横浜支店  支店長  

演題:「最近の金融経済情勢について」

 

[講演概要]

1.金融政策の枠組みの見直し(1)

2024年3月19日に日本銀行では政策変更を行った。

  • イールドカーブ・コントロールの終了

・イールドカーブ・コントロールとは、短期金利を-0.1%、長期金利(10年物国債金利)を0%程度に誘導するもの。

  • 新しい枠組み

・政策金利は無担保コールレート(オーバーナイト物)*とし、誘導目標を0~0.1%程度とする。*)金融機関の資金貸借市場(無担保コール市場)における期間1営業日の金利

・日銀当座預金(約530兆円)のうち所要準備額相当部分(約13兆円)を超える残高に、金利0.1%を付与する。

 

2.金融政策の枠組みの見直し(2)

・国債(残高590兆円)については、長期国債の買い入れを(足元月6兆円程度)継続する。

・コマーシャル・ペーパー等(残高2.2兆円)、社債(残高6.1兆円)は、減額し1年後を目途に買い入れを終了する(その後は順次償還する)。

・ETF(残高37.2兆円)、J-REIT(残高0.66兆円)は、新規の買入れを終了する。

・金融機関向け貸付金(残高108兆円)は、貸出増加支援資金供給、被災地金融機関支援オペ、気候変動対応オペについては、貸付利率0.1%、貸付期間を1年として実施する。

 

3.賃上げ・物価・金利・株式市場・為替市場の動向

・春闘における賃上げ動向は、24年要求が4.3%に対して、実績(第3回集計)は3.6%まで上昇した。また来年以降も賃上げの期待がもてる。

・消費者物価は、物価安定目標2%程度に収斂するのが望ましいが、24年2月では前年比2.8%であった。「賃金と物価の好循環」の期待が持てそうであることから、前述の政策変更を行った。

・政策変更後の金利について、無担保コールレート(オーバーナイト物)は政策変更後に跳ねているが0~0.1%の範囲内である。また国債金利(5年物)は約0.4%、国債金利(10年物)は約0.8%で推移している。

・貸出基準金利については、TIBOR*(6ケ月物)・TIBOR*(12ケ月物)は少し上がっている。

*)金融機関間の無担保資金取引等市場実勢金利をもとにした指標金利

・短期プライムレート**は、1.47%で変動はない。**)各金融機関が設定する短期貸出(期間1年以内)の最優遇金利(主要行の最頻値レートを使用)

・なお、定期・普通預金の金利は引上げが行われた。

・日経平均株価については、一時4万円を超えたがその後下がっている。これはバブル的なものではないが、今後米国株との連動性等を見ていく必要がある。

・為替市場については、政策変更によるドル円の円高方向への反転の見通しが多かったが、円安は変わらなかった。米国の経済指標の強さから米国の利下げが先になるのではないかとの見通しから、現在154円程度になっている。

 

4.3月短観等

(1)設備投資

・企業収益の改善が続くもと、積極的な投資姿勢が維持されている。

・建設コスト高等による先送り・縮小、発注先の人手不足等による工事・納入の遅れが一部にみられる。

(2)個人消費

・個人消費は全体として持ち直しや回復基調を維持している。

・物価高を受けた節約志向の強まり、出荷停止に伴う自動車販売の減少などがみられる。

(3)雇用・賃金

・春季労使交渉において大企業を中心にベアを伴う高水準の賃上げの動きがあった。

・中小企業でも、昨年並みあるいはそれ以上の賃上げの動きが広がることが期待される。ただし、収益の厳しさから慎重姿勢の先等も相応にみられる。

(4)企業の価格設定

・既往の原材料コスト上昇分を転嫁する動きは緩やかに。消費者の節約志向の高まりに対応する動きもみられる。

・人件費の価格転嫁は難しいとする企業はなお少なくないが、賃上げの動きが広がる中、賃金の転嫁を実施・検討する企業は着実に増加している。

 

5.不動産関連

・金融機関の不動産関連貸出を対GDP比率でみると、不動産業向け貸出・家計向け貸出(住宅ローン)ともに増加傾向にある。不動産業の借入期間も、他の業種に比べて長期化の傾向にある。

・不動産市場の動向では、都心の商業地取引価格では2000万円以上(坪単価)の高額物件が増えている。商業用不動産価格・賃料比率は、2000年代後半のミニバブル期を上回る水準。オフィスの空室率は6%程度である。米国はオフィスに人が戻ってきておらず(空室率13%~14%)、日本ではそれ程ではないがオフィス供給量が多いので留意が必要であろう。

 

6.新しい日本銀行券の発行(改刷)

・2024年7月3日に発行する。

・今までの日本銀行券は、新銀行券発行後も使える。

以上

 

 

 

【定例総会】

本年度定例総会が17時よりハイアットリージェンシー横浜 20階Grand Ball Roomにて開催され、本年度会長には昨年度から継続して大須賀毅氏(株式会社丸眞 横浜支店長)、副会長には斉藤昌喜氏(株式会社北原不動産 取締役部長)と山田智也氏(有限会社エスク 代表取締役社長)が選任されました。また今年度の事業を推進する各役員も決定しました。

前年度事業報告・収支決算・監査報告、令和6年度事業計画・予算案の各説明があり、承認されました。

 

 

【懇親会】

定例総会、日本銀行横浜支店長・大竹弘樹様の記念講演会終了後、懇親会が開催されました。会場のハイアットリージェンシー横浜 20階 Grand Ball Roomは横浜港やベイブリッジが一望できる見晴らしのよい明るい会場です。

 

まず神奈川県不動産のれん会の大須賀毅会長よりご挨拶がありました。そして山田智也副会長の乾杯の音頭で、懇親会がスタートしました。多くの参加者からご挨拶をいただき、斉藤昌喜副会長の音頭による締めで4月定例総会の懇親会は終了しました。